ウクライナ・ロシア問題を、わかりやすく(小学校高学年の子ども向けに)説明します

2022年3月19日

小学生にもわかるウクライナへのロシア軍進攻

2022年3月現在、連日報道されているウクライナへのロシア軍進攻について、小学4年生の娘は、とても気にしています。

「戦争はいけない」と、不安や憤りを感じているようです。

しかし、なぜロシアがウクライナを攻撃しているのか、よく分からないようでした。

何が起こっているか子どもに説明するのは、大人でも難しいですね。
そこで、娘が読んで分かるように「ウクライナ・ロシア問題」をまとめました。

皆様がお子さんへ説明する際に、参考にしていただければ幸いです。

3コマ漫画
ウクライナの現状について話し合いました

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ウクライナ・ロシアで何が起こっているのか

2022年2月24日に、ロシア軍が隣の国であるウクライナに攻め込み、攻撃を始めました。

攻撃を始める際に、ロシアは「ウクライナが核兵器を持とうとしている。これを止めさせるために攻撃する。」
と主張しました。

しかし、ウクライナが核兵器を持とうとしているという事実は確認されていません。

ウクライナ国内の東側(ロシア側)は、ロシアと歴史的につながりが深く、ロシア語を話し、共通する文化を持つ人たちが多く住む地域があります。

その地域には、「ウクライナから独立して独立国家になる」と主張する、以下の2つの勢力があります。
・ドネツク人民共和国
・ルガンスク人民共和国

これまでロシアは、その2つの勢力の手助けをしてきました。

ウクライナ国内の地図
ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国

2月21日(ロシア軍がウクライナへの攻撃を始める3日前)、ロシアはこの「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を、独立国家として認める発表を行いました。

そして、ロシアは、この2つの地域に「平和維持部隊」(平和を守るための軍隊)を派遣することを決めました。

「平和維持部隊」と聞くと、紛争地域の平和維持のために、(国際連合に加盟している)各国から派遣される部隊(軍隊)が思い出されます。

しかし、今回のロシアの「平和維持部隊」は、実際には以前から「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」地域に侵入していたロシア軍のようです。

2月24日、ロシア軍はウクライナの各地へ攻撃を開始しました。

ウクライナってどんな国?

ウクライナは、ヨーロッパの一番東側にある国の一つで、国の東側がロシアに接しています。

東ヨーロッパの地図

面積は日本の約1.6倍。
ロシアを除くヨーロッパの中で一番大きい国です。
(ちなみに、ロシアはヨーロッパとアジアの両方にまたがっている国です。)

人口は約4400万人。日本の3分の1程度です。

小麦の栽培が盛んな農業国で、国旗の下半分が小麦畑、上半分が青空を表しています。

ウクライナの国旗
ウクライナの国旗

ウクライナ・ロシアの歴史背景

9世紀後半から13世紀半ばまで、ウクライナの首都キーウキエフ)を中心として「キーウキエフ)大公国」という国がありました。

キーウ(キエフ)大公国は、ウクライナ・ロシア・ベラルーシの3か国にまたがる国土も持つ、大きな国家でした。

キエフ大公国の場所
キーウ(キエフ)大公国の場所

国内で使われていた古東スラブ語では、キーウ(キエフ)大公国のことを「ルーシ」と発音しました。
ロシア(Russia)やベラルーシの国名は、この「ルーシ」からきています。

このことからも分かるように、ウクライナ・ロシア・ベラルーシの3か国には、強い歴史的なつながりがあります。

その後ウクライナは、様々な国によって支配され、分割をくり返しました。

1917年に「ウクライナ人民共和国」が成立しましたが、多くの周りの国と同じく、激しい内戦に突入しました。

1922年には「ウクライナ社会主義ソビエト共和国」として、「ソビエト連邦」の一部になります。
この「ソビエト連邦」の中心が、現在のロシアです。当時、ソビエト連邦は、アメリカ合衆国と並ぶ超大国として、世界中に大きな影響力を持っていました。

そのソビエト連邦が1991年に崩壊したことで、ウクライナはやっと独立を果たしました(しかしウクライナの苦難は続きます。後で書きますね)。

このような歴史があり、ロシアから見て、ウクライナはとても繋がりの強い国と考えています。

現在、ウクライナの中ではロシアに親近感を持つ人(ロシア派)と、再び支配されてしまうのではないかとロシアを恐れる人(反ロシア派)の両方がいます。

独立後のウクライナでは、「ロシア派」の政治家と、ロシアから離れてアメリカ合衆国やヨーロッパ連合(EU)と仲良くしようと考える「反ロシア派」の政治家が、国のトップを争っている状態でした。

2014年ロシアのクリミア半島侵攻から、現在に至るまで

2014年の初めに、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が、ヨーロッパ連合(EU)と結ぶはずだった協定を直前に取りやめ、代わりにロシアと親しくしようとしました。

そのことに国民が猛反対し、大きなデモが起こり、ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領はロシアに逃げ出しました。

ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が去った後は、反ロシア派の大統領が、選挙で選ばれました。

この頃、ロシアは、ウクライナ南部にあるクリミア半島に、現地の人のフリをした軍隊を送り、ロシア派の住民の支援をしました。

クリミア半島の場所
クリミア半島

ロシア軍が見守る中で、クリミア半島の住民による(ロシアに属するかウクライナに属するかの)投票を行い、賛成多数でロシアに属する決断がされました。

結果、クリミア半島がウクライナから独立したと宣言し、新政府とロシアによって、クリミア半島がロシアの一部になる条約を結びました。

国際連合はクリミア半島をロシアだとは認めていません。
未だに多くの国にとって、クリミア半島はウクライナの一部の認識ですが、ロシアが実質的に支配しています。

ロシアは、この時期からウクライナの東部地域にいるロシア派の人たちを支援しています。

それが初めに書いた、ロシアが「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を独立国家として認めたという話につながります。

ウクライナ・ロシアでこれから何が起こるのか

ロシアにとって、ウクライナはかつて同じ国であり、一緒にソビエト連邦として仲間だった国だという認識があります。

その国が、ここ最近、自分達ではなくヨーロッパ連合(EU)やアメリカ合衆国と仲良くしようとする動きを見せていました。

古くからのつながりがある隣の国が、自分の味方でなくなることに危機感を覚えたとも考えられています。

ロシアがこれから狙っているのは…

  • クリミア半島に加えて、ウクライナの東部地域をロシアの一部にするのか?
  • ウクライナ全体をロシア寄りの政府にするのか?
  • ウクライナ全体をロシアの一部とするのか?

何を目指していて、どのような結果になるのかは分かりません。

世界を巻き込む大きな戦争になる前に、一刻も早くウクライナに平和な時代が訪れることを願います。